
停電対策では、照明だけでなく、水・トイレ・通信・冷蔵・室温など、電気に支えられた生活機能を確認します。何が先に困るかは住宅設備、季節、家族の健康状態で変わります。電源を必要とする医療機器や厳しい暑さ・寒さへの対応がある家庭では、その安全確保を優先します。この記事では順位を付けず、自宅の設備ごとに代わりの方法を整理します。
停電で使えなくなる物を、生活の場面から探す
| 生活の場面 | 止まる可能性がある物 | 平時に確認する備え |
|---|---|---|
| 移動・照明 | 照明、エレベーター、電動の扉 | LEDライト、階段等の避難経路、扉の非常時の扱い |
| 水・トイレ | 給水ポンプ、電動式のトイレ等 | 住宅の給水方式、飲料水、携帯トイレ、説明書 |
| 連絡・情報 | Wi-Fi機器、固定電話の一部、スマホの充電 | 充電器、紙の連絡先、ラジオ等の別の情報源 |
| 食事 | 冷蔵庫、IH、電子レンジ、炊飯器 | 常温保存・調理不要の食品、安全に使える熱源 |
| 室温 | 冷暖房、扇風機 | 季節用品と、安全に移動できる冷暖房のある場所 |
| 健康管理 | 電源を要する医療機器等 | 医療機関・機器業者との非常時の計画と連絡先 |
| 買い物・出入り | ATM、電子決済、電子錠等 | 少額の現金、鍵・設備の停電時手順 |
すべての家で同じ設備が止まるわけではありません。東京電力の停電時の案内も、電気以外の設備への影響に注意を促しています。住宅の説明書や管理会社に、停電時の水・扉・エレベーターの扱いを確認しましょう。
発生直後は、明かりと周囲の安全を確保する
まずLEDライトで足元を確認し、家族の状態を確かめます。地震・水害を伴う場合は避難の必要性も判断してください。スマホのライトを長く使い続けると連絡用の電池を消費するため、専用の照明も備えます。
停電地域や復旧情報は、その地域の一般送配電事業者の公式案内で確認します。浸水した機器や傷んだ配線を触って復旧させようとしないでください。家を離れる際は、安全に操作できる場合にブレーカーを切ります。NITEの地震時・復旧時の注意事項も参考にしてください。
水が出ても、トイレを流せるとは限らない
集合住宅などでは給水ポンプの停止で水が出なくなる場合があります。また、地震で排水管が傷んでいると、水道が出ても水洗トイレを使えないことがあります。神奈川県の案内は、排水管の損傷に気づかず使うと下階で汚水があふれるおそれを示しています。
管理会社や自治体などの確認方法を決め、安全が確認できない間は携帯トイレ等で対応します。停電だけで設備に損傷がない場合の操作は機種ごとに異なるため、説明書を事前に確かめます。断水・停電なら一律にバケツの水を流せばよい、とは考えないでください。
冷蔵庫の食品は「何時間なら安全」と一律に決めない
農林水産省は停電後の食品の注意点として、冷蔵庫の開閉を抑え、適正な保存温度を保てなかった要冷蔵・要冷凍食品は食べないよう案内しています。庫内の温度変化は気温や食品量などで変わります。停電時間だけや、におい・見た目だけで安全を断定しないでください。
常温で保存でき、そのまま食べられる物を用意しておくと、傷みが心配な食品を無理に食べずに済みます。完全に溶けた冷凍食品を再び凍らせることも避けます。加熱すればどの食品も安全になるわけではありません。
室温と医療機器は、我慢を前提にしない
夏や冬は、冷暖房が止まった室内で安全に過ごせるかを確認します。冷却シートや毛布などだけで対応できるとは限りません。移動経路の安全も見ながら、自治体の案内する施設や親族宅など、適切な室温を確保できる行き先を検討します。具体策は夏の停電対策と冬の停電対策を参照してください。
電源を必要とする医療機器を使う人は、平時に医療機関・機器業者と、予備電源、使える時間、連絡先、移動先を確認します。市販の電源を自己判断で接続できるとは限りません。生命に関わる状態や緊急の症状がある場合は救急要請を優先してください。
代替電源・熱源を使う前に確認すること
燃料を燃やす携帯発電機は屋内では使えません。屋外でも排気が室内へ入らない位置など、取扱説明書に従う必要があります。NITEの注意喚起を確認してください。カセットこんろを暖房代わりに使わず、調理に使う場合も換気や鍋の大きさなどの条件を守ります。
よくある疑問
停電してもスマホが充電できれば連絡できますか?
電池があっても通信設備の被害や混雑で使えない場合があります。紙の連絡先と、連絡できない場合の行動を事前に共有します。
復旧したら家電をすぐに使ってよいですか?
水没・損傷・異臭などがないか安全を確認します。被災した機器は自己判断で通電せず、メーカーや電気工事店等に相談してください。
今日やること
表のうち、水・トイレ、室温、健康管理の3項目を自宅に当てはめて確認しましょう。連絡用の電源は災害用モバイルバッテリーの備え方も参考になります。
参考資料
- 東京電力「電気がつかないときは?」
- 神奈川県「携帯トイレを備蓄しましょう」
- 農林水産省「停電や断水、大雨による浸水に遭われた地域の皆様へ」(2026年9月8日)
- NITE「ライフライン停止時に活躍する製品で気を付けるポイント」(2025年8月28日)
- NITE「地震に伴う製品事故に注意!」(2024年2月29日)
資料確認日:2026年10月20日。地域の避難先・支援条件や製品の注意事項は、自治体・メーカーの最新情報をご確認ください。












