子どもの防災|身を守る練習と学校・園の引き渡し確認

子どもの防災では、家の安全、身を守る行動、離れているときの連絡・引き渡しを、大人が準備して一緒に確かめます。年齢だけで一律に決めず、その子が理解できる言葉、動ける範囲、健康上の配慮に合わせましょう。地震時の初動と、保育園・学校にいる場合を中心に整理します。

まず大人が、子どもの居場所の危険を減らす

寝床や遊ぶ場所の周囲を見て、家具・テレビ・物の落下を防ぐ対策をします。安全な場所へ移れるよう通路を確保し、サイズの合う靴とライトを取り出せる場所に置きましょう。窓や棚のすぐそばを、身を守る場所として決めないようにします。

地震が起きたら、まず自分と近くの子どもの頭と体を守ります。強い揺れの中で別室へ無理に走ったり、家具を押さえたりしないでください。気象庁の行動指針を参考に、普段いる部屋で安全な位置を一緒に探します。

発達と生活の場面に合わせて、練習することを選ぶ

年齢だけに頼らない準備の目安
子どもの状態・場面 大人が準備すること 一緒に確かめること
乳幼児など介助が必要 食事・おむつ・着替え・移動方法。抱っこ等と荷物の両立 大人が用品を取り出し、安全に移動できるか
短い指示を理解できる 頭を守る場所、見守る人、迷子時の連絡情報 「頭を守ろう」など一つの動作を試す
通学・外出で大人と離れる 通学路の危険、頼れる施設、学校の引き渡し方針 今いる場所でどう身を守り、誰に助けを求めるか
持病・障害・感覚の特性がある 必要な支援、伝え方、薬等の情報を学校・支援者と共有 本人が分かる絵や言葉で行動を確認する

同じ年齢でもできることは違います。子どもが重い荷物を持つことや、きょうだいを助けに危険な場所へ戻ることを前提にしません。本人が安心して使える小物を選び、生活を支える物資は大人が管理します。

親子の練習は、短い言葉でひとつずつ

  1. 「今から練習するよ」と先に伝える。突然大きな音を鳴らさない。
  2. 近くの安全な位置で、頭を守る姿勢を一緒に試す。身体に無理があれば方法を変える。
  3. できたことを確認し、分かりにくかった言葉や動作をひとつ直す。
  4. 後日、同じ行動をもう一度確かめる。怖がるときは中断する。

保田ほか(2021)の防災教育の研究では、宮城県・福島県の15小学校の5年生を調査し、授業後の意識の変化や家庭への波及を検討しています。学習意欲などと家庭への波及には関連がみられ、恐怖心には負の影響が示されました。特定地域・学年の質問紙調査であり、すべての年齢への効果や因果関係を一律に示すものではありません。恐怖を強めるより、できる行動を一緒に確かめる参考にします。

学校・保育園の引き渡しルールを確認する

迎えに行けば必ずすぐ引き渡される、とは限りません。津波などの危険や経路の状況によっては、施設で安全を確保する判断もあります。文部科学省の学校防災マニュアル作成の手引きを参考に、実際の対応は通う施設の現在の方針で確認してください。

施設に確認しておくこと
確認項目 家庭で残す情報
連絡方法 メール・アプリ等、連絡が届かない場合の確認先
引き渡し条件 どの状況で、どこで、誰へ引き渡すか
迎えに行けない場合 待機・避難場所、代理人を事前登録する方法と引き渡し条件
移動中の安全 自宅から施設へ向かう経路と、その災害で通れるかの判断
健康上の配慮 アレルギー・服薬・支援方法と緊急連絡先

施設が避難しているときに元の建物へ向かって行き違わないよう、避難先の知らせ方も確認します。迎えに行く大人自身の安全を守り、浸水した道や津波の危険がある場所へ無理に入らないでください。

はぐれたときは、危険な移動を避けて助けを求める

外出先では、その施設の係員や警察官など、助けを求める相手を普段から一緒に確かめます。「必ず家へ戻る」「どんな状況でも集合場所へ行く」という決め方は避け、今いる場所の安全と案内を優先することを共有しましょう。

氏名、保護者の連絡先、必要な健康情報を書いたカードを、バッグの内側など外から見えない場所に入れます。必要時に支援する人へ見せられるかも確認します。学校のルールと家庭のルールが食い違わないよう、家族の避難・連絡ルールにまとめておくと確認しやすくなります。

津波のおそれがある地域では、合流より避難を優先

海辺で強い揺れや長くゆっくりした揺れを感じたら、より高い安全な場所への避難が必要です。気象庁の津波から身を守る案内を確認し、「家族もそれぞれ安全な場所へ避難する」と平時に共有してください。親子が合流するために海側へ戻る計画にしないことが大切です。

よくある疑問

子どもに防災バッグを持たせるべきですか?

無理なく持てる場合に、本人が使える軽い物を選びます。重さや動きにくさが避難の妨げになる場合は大人が調整し、バッグを取りに戻らせないでください。

怖がって練習できないときはどうしますか?

中断して気持ちを聞きます。安全な場所を指さすだけ、絵で確かめるだけなど、負担を小さくします。大人が環境を整えることも備えです。

今日やること

園・学校から届いている防災のお知らせを開き、引き渡し場所と連絡方法を確認しましょう。その後、子どもと家の中の安全な場所をひとつ探します。家族全体の話し合いには家族の防災会議チェックリストも使えます。

参考資料

資料確認日:2026年10月20日。地域の避難先・支援条件や製品の注意事項は、自治体・メーカーの最新情報をご確認ください。

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