
一人暮らしの防災グッズは、自宅で使う水・食品・携帯トイレと、避難時に運べる持ち出し品を分けて準備します。人数が少なくても必要な役割は変わりません。収納の広さ、自分が運べる量、普段の食事や薬に合わせて調整しましょう。
この記事では、単身世帯の必要量と置き方、ひとりで準備するときの進め方を整理します。特定商品の順位や購入者の満足度を示すものではありません。
一人暮らしで最初に確認したい備え
| 役割 | 準備する物 | ひとりで使うときの確認 |
|---|---|---|
| 飲む・食べる | 飲料水、常温保存食品 | 加熱せず食べられる物を含め、開封後に食べ切れる量を選ぶ |
| トイレ・衛生 | 便器等に取り付ける携帯トイレ、紙、手指や口腔のケア用品 | 袋と凝固剤等のセット内容、処理手順、必要回数を確かめる |
| 照らす・連絡する | LEDライト、予備電池、充電器と対応ケーブル | ひとりでも電池交換できるか、スマホを実際に充電できるか試す |
| 本人の生活を続ける | 薬の情報、眼鏡、必要な衛生用品、季節の衣類 | 代替しにくい物を先に確認。薬の備え方は医師・薬剤師に相談 |
| 避難時に運ぶ | 背負える袋、水・携帯食・ライト・連絡先など | 普段の靴で無理なく歩ける量にする。自宅備蓄を全部詰めない |
水・食料・トイレは「何日分か」で数える
農林水産省は食品備蓄を最低3日分、できれば1週間分としています。水は飲用・調理用として1人1日おおむね3Lが目安です。手洗いや洗濯などの生活用水、ペットの分は別に考えます。単身者向け食品ストックガイドも参考になります。
| 項目 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 水 | 9L | 21L |
| 食事の回数(1日3食で計算) | 9食 | 21食 |
| 携帯トイレ(1日5回で計算) | 15回分 | 35回分 |
食事の回数は買い物を考えるための例で、「食品9個で3日分」という意味ではありません。主食とおかずを組み合わせ、食べる量やアレルギーに合わせます。トイレの5回は平均を使った目安です。普段の回数や体調に応じて増やしてください。経済産業省の備蓄目安では1週間で1人35回分を推奨しています。
狭い部屋では置き場所と補充の単位を決める
まず水・食品・トイレ用品の在庫を書き出し、不足分を買い足します。大きなセットを購入する前に、収納場所の寸法と保管条件を確認しましょう。水の容器は、自分で持てるか、キャップを開けられるかも確かめます。普段食べる食品を少し多めに持ち、消費した分を補うと、買い替えを食事や買い物の流れに組み込めます。
- 水は重いため高い棚を避け、取り出せる場所に分散する。通路や共用廊下をふさがない。
- 食品や電池は高温・直射日光を避け、製品指定の条件で保管する。
- 使った分を書ける買い物メモを食品の近くに置く。
- ライトは寝床から取れる場所にも置く。持ち出し袋の置き方は防災リュックの置き場所で確認する。
一人暮らしでも、連絡先と相談先を準備する
物資に加えて、安否を知らせる相手、連絡できないときの方法、地域の避難先を決めておきます。家族・友人などと伝える内容を「今いる場所・けがの有無・次の予定」に絞り、電話番号を紙にも控えましょう。移動や生活に支援が必要な場合は、平時に自治体の相談窓口へ相談してください。
多田・石川(2025)の単身世帯を対象にした研究報告は、2024年の南海トラフ地震臨時情報前後の意識と行動を分析し、備えを進める際の金銭や手間などの課題を挙げています。特定の情報発表に関する調査であり、すべての単身世帯に同じ状況が当てはまるとは限りません。本記事では、その視点を「不足をひとつ選んで補う」「連絡相手を決める」という準備に生かしています。
備蓄があっても、自宅にとどまれるとは限らない
建物被害や火災、浸水・土砂災害・津波の危険がある場合は、安全な場所への避難を優先します。ハザードマップと自治体の案内で、自宅・職場周辺の危険と災害の種類に合った避難先を確認してください。持ち出し袋を取りに戻るために危険な場所へ入らないことも、あらかじめ決めておきます。
よくある疑問
一人暮らし用のセットを買えば足りますか?
出発点にはできますが、内容と数量を確認します。携帯トイレの回数、食品の調理条件、自分の薬・眼鏡・衛生用品は個別に補ってください。
水21Lを全部持って避難しますか?
1週間分は主に自宅等で使う備蓄量です。避難時の荷物は別にし、必要品を無理なく運べる量に調整します。
今日やること
水・食品・携帯トイレを数え、3日分に対して不足している物をひとつメモしましょう。その次に、安否を知らせる相手と連絡方法を確認します。用品の動作確認は防災バッグの見直し手順も参考にしてください。
参考資料
- 農林水産省「災害時にそなえる食品ストックガイド 単身者向け」
- 内閣府広報誌掲載・経済産業省「トイレ備蓄忘れていませんか?」
- 消防庁「非常持出品を準備する」
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」
- 多田陽音・石川永子(2025)「単身世帯の地震に対する備えはなぜ遅れているのか」都市計画報告集23巻4号
資料確認日:2026年10月20日。地域の避難先・支援条件や製品の注意事項は、自治体・メーカーの最新情報をご確認ください。











